【喉に餅を詰まらせるのには原因があった!その原因と対処法とは】

毎年お正月の頃には耳にする「お餅を喉につまらせてしまう」という事故。

特にお年寄りに多いようですが、お年寄りの喉に餅が詰まりやすいのには原因があるようなのです。

 

ここでは喉に餅が詰まってしまう原因と、そうなってしまった時の対処法、

さらには詰まらないようにするための対処法もお話していこうと思います。

 

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【お餅が喉に詰まってしまう原因を知っておきましょう】

喉の奥のほうは空気の通り道である気管と、食べ物の通り道である食道に分かれています。

 

その分岐点には食べ物が気管のほうに行かないようにする軟骨(喉頭蓋軟骨)がついています。

食べ物を飲み込むときに食べ物が気管へはいらないように、この軟骨を反射的に動かして蓋をします。

 

この反射を嚥下反射(えんげはんしゃ)といい、

年齢を重ねてくると嚥下反射が低下してしまうため食べ物が喉に詰まってしまうのです。

 

食べ物が気管の先端にくっつくと強烈な反射が起こるため激しく咳込んでしまい、

肺から出てくる空気の圧力で食べ物を追い出そうとします。

 

ですが、その吐き出す力である肺活量が年齢と重ねると低下するため、

お年寄りが事故にあう確率が高くなるというわけです。

 

さらに餅はベタベタと粘り付きやすいものなので、

その気管の先端にくっついてしまうとなかなか取れません。

 

少しの空気の圧力では取れにくいため気管の先端をふさいでしまい、

窒息状態になってしまうのです。

 

また、唾液の量も重要になってきます。

餅を食べてもよく噛んでから飲み込めば、唾液とよく混ぜ合わされるため餅の粘着性も弱まります。

 

しかし、唾液の量は30歳代では一日に約1500ccありますが、

年を取るとだんだん減ってきて50歳代では約800ccとなってしまいます。

 

噛む力も年齢とともに弱まり、顎の筋肉も衰えるため

餅の粘り気が失われないまま飲み込むことになってしまうのです。

 

【餅を喉に詰まらせないためにはどうすればいいの?事前の準備が大切です】

 

では、餅を食べても喉に詰まらないためにはどのようにすればよいのでしょうか?

それはなんといっても調理法です。

 

顎や嚥下反射の弱まったお年寄りや、

小さな幼児でも食べやすいように小さくして調理しましょう。

小さくした餅を柔らかくなるまで煮ておくと危険が少なくなると言えそうです。

 

また、調理法以外にも事前に注意できることがあります。

 

テレビ見ながら、おしゃべりしながら食べないということです。

ながら食べは咀嚼や飲み込むことに集中できなくなるため事故が起こりやすくなります。

 

お年寄りや、幼児にお餅を食べさせるときにはテレビを消し、

よく噛んでから飲み込もうとしているか注意深く見守ってあげましょう。

 

本人ができる注意点としては、食べる前に飲み物を飲んで口や喉を湿らせておくことです。

唾液が出にくい方でも喉を事前に湿らせておけば、飲み込むときの助けとなりそうです。

 

少しずつ口に入れるように心がけ、

完全に飲み込んでから次の食べ物を口に入れるといいでしょう。

 

また、餅はお正月など大勢で集まって食べる機会も多いと思います。

餅を食べている人をふざけて驚かせたりしないようにしましょうね。

 

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【万一喉に詰まってしまったら。掃除機で吸うのは本当にいいの?】

喉に餅が詰まってしまったらまずは落ち着いて救急車を呼びましょう。

救急車が来るまでの間に救急隊の方の指示に従って、応急処置を行います。

 

苦しんでいる人の顎を手で押さえながら背中を強くドンドンとたたきます。

大人であればこれで餅が取れてしまうことも多くあるようです。

 

また、後ろから抱きかかえるように手をまわして

みぞおちあたりに腕を組んで、ぐっと引き寄せるようににて持ち上げる方法も有効です。

 

ただし、上記2つの方法は詰まらせた人に意識がある場合のみできる方法です。

 

意識がない場合は少しでも息がしやすい体勢にしてあげます。

下あごを持ち上げて頭を後ろにそらすようにすると気道を確保することができます。

 

その体勢ができたら口の中を見て、

詰まっている餅が見えたら指などでなんとか取り除いてあげます。

 

よく聞く掃除機で吸い取るという方法ですが、

これは肺への負担が大きすぎるということであまりお勧めではありません。

 

【まとめ】

お餅を食べる際には

①小さく切って柔らかくなるまで調理する
②ながら食べをしない
③食べる前に水分を取る
④食べている人を驚かさない
⑤一人で食べない。食べている様子を見守る

以上の5点に気をつけておいしくいただきましょう。

 

万一事故が起こってしまったら、焦らずあわてずに救急に連絡をして指示を仰ぐことが大切です。

 

楽しい時に大好きな人たちと食べることが多いお餅、安全においしくいただきたいですね。